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2007年10月14日 (日)

第117話 旅の雪ダルマ情話

第117話 旅の雪ダルマ情話
作画がひどくて有名な今作。作画監督、林隆文。ジャリテンの潰れあんまんの様な顔、極端に小さい体のバランスの悪さ。殴られたりした時にこの顔になるというなら納得いくんですよ。それが常時潰れたまんま。納得いかん!

Aパートは原作どおり、Bパートは途中で原作分消化しちゃって押井臭漂うオリジナルに突入します。
Aパートではあたるに対して再三放火したジャリテンをラムちゃんが謝らせるシーン。「ぼくイイ子やっ!」とふんぞり返るジャリテンをラムちゃんがポカリと殴ります。ジャリテンを殴打するシーンって少ないだけにちょっとあたるの腹の虫もすっとしたんじゃないですかね。こっちもすっとしましたが。

マラソンのシーンではゆきだるまがあたるのお尻にタッチ。直後を走っていた面堂に嫌疑がかかり、「お前そんな趣味があったとは」と責め立てられ、あたるが自分の尻の魅力を高らかに歌い、挙げ句の果てに「せっかくその気になってきたのに」とあたるが爆弾発言。なにこの腐女子大喜びのシチュエーション。
冗談でもあたるはここまで変なこと言わんぞ!笑ったけど。

Bパート。ゆきだるまに化かされて雪まみれになって遊ぶあたるについて行けなくなったラムちゃんがUFOに戻ったあと、オリジナルへ突入。雪だるま少女に迫ったと思ったらお雪さんに姿を変え、サクラさん、クラマ姫、その他諸々のキャラ、しのぶへと千変万化。しのぶと思って抱きつくとラムちゃんに姿を変え、あたるは頭を抱えて「一人だけを選べというのかー!」と叫ぶ。一人だけを選べない、地球の女は俺のものといういつものパターンなのですが、化かされ続けて既に頭がイッちゃってるかの如きよだれの垂らし具合で言われてもなぁ(笑)
そして碁盤の目のような空間の上をメガネや他の男性キャラが小説の文章などをぶつぶつとつぶやきながら歩きまわるという、精神を病んでいるとしか思えない光景が現出。あたるの父さんも出てきて金利計算についてぶつぶつ。最後の方は気象予報の一文をぶつぶつ言う人まで出てきてめちゃくちゃの不条理空間に。
あたるでなくても叫びたくなりますな。

…気がつけば一夜明けて、雪の庭で突っ伏していたあたる。頬はこけ、目はショボショボ。やつれきったところへラムちゃんがやってくる。
あたるは「みんなはどうした?」「お雪さんは、サクラさんは?」「しのぶは、ラムは?」どこいったと聞く。
ラムちゃんだけは、現実としてあたるの目の前に確かに存在し、唯一「うちはいっつもダーリンと一緒だっちゃ」と答えてくれる。
他のみんなは幻想でも、ラムちゃんだけは存在するという現実。

アニメうる星における「ラムちゃんって移ろいやすい(どっかに行っちゃうともう戻ってこない気がする)存在なんだけど、本人の意志によってのみ現実として目の前に存在する」っていう、漠然とした不安と漠然とした安心感が同居する空間が表徴されている気がします。それを拡大させるとリメンバーマイラブみたいになっちゃうのね。
だから、この台詞すごい胸に引っかかる。安心できるんだけど、ラムちゃんが言うと逆にラムちゃんの意志だけでこの世界が成立しているという危うさを思い知らされる。それ故に、いい台詞だよなぁと思う。ありがたいとは「有り難い」と書くけれど、こういうときに使うものなんだろうなぁ。

雪だるまと一晩中遊んでたっちゃよと言われて、あたるは化かされていたことを知る訳なんだけど、知って怒るわけでもなく、ラムちゃんにお風呂に入って暖まるよう薦められて幕を閉じる。
幻想から抜け出ると、幸福な現実が待っていたというオチ。この瞬間に感じる有り難さを、果たしてあたるがわかっていたかどうか…いや、わからないんだろうな。幸福なときは幸福と気づかず、失って初めて自分が幸福だったと気づくんだ。それを事あるごとに体感し、ギリギリの所で元のサヤに収まって、あの幸福を永久に喪失せずにすむ。それを実際の人生で経験するのはかなり難しいし、できれば経験しないに越したことはない。
二人にとって当たり前の日常を幸福な時間と感じるラムちゃんと、幸福な時間であることに気づかないあたる。
それでも、時折幸せを感じるのだとしたら、まさに今作のラストシーンに感じるのではないかと邪推する。

繰り返して言うが、今作は作画がひどい。それでも、ラストのラムちゃんの台詞でいくらか救われているのである。

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