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2010年10月12日 (火)

赤毛のアンの家を訪ね、カナディアンワールド公園へ

もしかして>「週刊 赤毛のアンの家

赤毛のアンが住む「グリーンゲイブルズ」
このモデルとなったカナダにある家を原寸で再現したのが北海道・芦別市の「カナディアンワールド公園」です。

もともと、バブルの産物として生まれたカナディアンワールドが閉鎖され、それを芦別市が公園として開放。園内の建物は建物を維持するためにテナント貸しされています。
公園へのアクセスは公共交通では難しく、芦別駅からのバスは一日4便、しかもバスの終点から徒歩30分。
車での移動が当然の北海道では当たり前なのかも知れませんが、我々のような内地からの旅行ではレンタカー、タクシーの利用を検討すべきでしょう。

だがしかし、我々夫婦はバス+徒歩で行ってきました。なんとかなります。
考えてみたら、新宿で映画+都庁なんて歩いた日には30分くらいかかっているわけですから、徒歩30分なんて当たり前。ディズニーランドより体力消耗しないのだから身構えることはありません。
(道内の人は皆驚いていましたが…車が当たり前だと徒歩=大変なんでしょうね。もっとも、歩道は草ぼうぼう、すれ違う人なんかいるわけもなく、本当に道が合っているのかだんだん不安になるという点では大変でした)

さて、JR根室本線芦別駅を下車し、駅前に止まっている小型の「キラキラバス」に乗車。
列車は1両のワンマン、改札のある側のホームに到着したので乗り換え4分といっても余裕がありました。
バスダイヤはカナディアンワールド公園公式サイト掲載以降にダイヤ改正が行われており、バス会社「空知交通」へ事前に電話確認しました。(電話番号はリンクをクリック)
今回乗車したのは芦別9:30発の芦別温泉行です。乗車したらなんと座席満員で立ち客が出る状態。地方公共交通の実態を反映してお年寄りしか乗っていません。もう少し座席のあるバスにしてくれたら…と思いますが、他の路線にも使っている手前、輸送力を大きくするとバス会社には死活問題になるのでしょう。既に大手バス会社が見限った路線なのですから。

これまたバブルの産物、北の京芦別の異形に驚きながらバスに揺られていると、いよいよ上り坂に差しかかり、えんえんと山を登っていきます。乗車開始から約20分で終点の芦別温泉バス停に到着。
放送は終点と流れるものの、全然皆降りようとしないので不思議がっていると、もう少し先の乗車場までバスを進めるとのこと。運転士の薦めに従って、乗車場で降車し、バスが進んできた道をそのまままっすぐ進みます。
実は、温泉の入口でカナディアンワールド公園の看板を見つけたのですが、バスが来た道はその一本となりの道。さっきの看板まで戻った方が良いのかと心配しながら道を進むと、やがて二つの道は合流してほっとするのでした。
とはいえ、ここから先の上り坂が大変。歩道は人が歩いていないと見え、路傍の草が覆い被さり不安を煽ります。虫たちの天国で何故かはえも多い。自家用車がびゅーんと横を追い抜いていく様を眺めつつ、熱くなってきたので上着を脱ぎ進むこと30分。
カナディアンワールド駐車場入り口の看板を横目に更に進み、「カナディアンワールド公園 入園無料」の看板から園内へ。
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入口には機関車の形をした車が置かれていましたが、長年の風雪によって薄汚れていました。
それでも押し寄せる期待に胸が躍ります。
ケンジントン駅(アンが初めて登場するシーンに出てくる駅のモデルになった駅)のゲートをくぐり、広い園内に一歩足を踏み入れるとすり鉢状の園内が一望の下に。
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ところが、グリーンゲイブルズは見えません。「アンの家はこちら」という看板に従って坂を下り、郵便局(作者モンゴメリが働いていた郵便局)の角を曲がるとリンドのおばさんの家。

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家々が並んでしまっているところはご愛敬なのですが、更に足を進めると木々の向こうにグリーンゲイブルズが登場です。
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アニメのグリーンゲイブルズのイメージを持っていたので、思ったより小さく(それでも日本人の家に比べれば大きい)意表を突かれたのですが、正面に回ると木の橋が架かっており、橋の向こうの木々の間からダイアナの家が見えるのでした。
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グリーンゲイブルズは原作のモデルになった実在の家。それを再現しているわけですから、アニメとは違います。
しかし、言うなればこちらがホンモノ。感動に震えながら玄関のドアに向かうと、網戸が張ってあって「虫が入るのでおしめください」と書いてある。
素早くグリーンゲイブルズの中に身をひらりと入れると、そこはアンが出てきそうな廊下。急ぎ台所に向かうと、あのオーブン付ストーブが鎮座しています。このストーブ、アニメでもおなじみですが、実物を見ると感動もひとしお。「さわらないでください」の看板がじゃまですが、写真を撮りまくりました。
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ヨメは置いてあったノートにアンの絵を描きました。
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傍らにはご自由にどうぞとつり下げられたアンの衣装が。帽子には髪の毛に見立てたニンジン色の毛糸が付いているのは笑いましたが、遠目に見るとそれっぽく見えるからたいしたもんです。


二階に行くとアンの部屋が!
ベッドの上にはマシュウ・カスバートが買ってくれた膨らんだ袖の茶色のドレス。窓辺にはダイアナとの合図に使うローソク、足下にギルバートの頭で割った石版などなど!そして窓の向こうにはダイアナの家が!
室内とダイアナの家が両方写らないものかと何枚か撮影しましたが、明るさが違いすぎてどうしてもダメでした。フラッシュ+夜景モード撮影すれば良かったと気づくのは帰りのバスの中。


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アンの部屋の前でしばらく離れられませんでした。
しかし、思ったより狭い。まるで素泊まりシングル一室5000円、って感じの広さです。
海外の家=どこでも広いというイメージでしたが、カナダの家と同じ寸法。決して国内向けに縮小しているわけではありません。これまたショック。アニメの部屋のデザインはうまくイメージをふくらませたものだなあとつくづく思います。
廊下に目を向けると豪華な薔薇の模様の壁紙。日本人にはこのセンスは出てこないでしょう。薔薇なのにシックに決まってます。
マリラの部屋では私が一番興奮し(笑)、ベッドサイドの水瓶に至るまで食い入るように見つめてました。

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マシュウの部屋には靴脱ぎ板まで!

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その他、モンゴメリに関するパネル展示なども非常に興味深かった。ははーん、この時のこの経験があの話に影響を与えたのだな、とかニヤニヤしながら見ていました。
それにつけても1800年代なのに祖母の写真に至るまで残っているのって凄いなあ。ちなみに若き頃のモンゴメリはキレイでした。
1階に戻ってダイニング、食器棚の中にはマリラの大切な客用ティーセット。薔薇のつぼみの模様のティーカップがありました。
他にも色々と注目ポイントはあるのですが、それは是非見に行ってください。
グリーンゲイブルズの次は橋を渡り、この橋の上でダイアナと毎日のように別れるのだなと感慨にふけりつつ、ダイアナの家に。ダイアナの家は土休日限定のレストランになっており、この日は休業。


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アンが好きなオーナー夫婦がテナントとして借りており、やってきたファンをもてなすのだそうです。素敵。
そんなわけで中には入れませんでした。土日に来たいと思いつつ、窓にカメラを押しつけてぱちり。
お化けの森の道を抜けて、高台に出るとアンの通った小学校。ここは中に入れました。
イギリス領カナダ自治州の頃なので、ユニオンフラッグが教壇の前に掲げられています。
教会では実際に結婚式が挙げられるとの看板が出ており、教会前にここで式を挙げた人たちの手形プレートが並んでいます。94年まで確認できました。つまりテーマパークとして華やかりし頃ということですね。
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教会も中にはいることができましたが、虫が入り込んでしまうらしく、二階の窓ガラスの所ではたくさんの虫がワンワンと音を立てており、これでは結婚式の前に虫退治だなあと思ったものです。とはいえ、ちゃんとスピーカー設備などは整っており、今でも式は挙げられそうな雰囲気。
この後も繰り返し虫には苦しめられました。飛び回っているだけで害はないのですが、どの建物でも秋になるとハエが入り込んできて、そのまま明るいガラスから表に出ようとしてガラスにたかるという状態です。
大抵の場所では手の届かぬところでガラスにぶつかっているだけなので害はありませんが、トイレでは周囲を飛び回っているので要注意。
教会を出て一番高いところにある最も大きな建物に足を向けるも、やはり平日なので休み。これはアンと関係ない建物なので、どうでもよいです。
斜面を降りていくと、ミニチュアみたいに見える町があります。
土産物屋やレストランが立ち並ぶ、カナディアンワールドの中心地!…だったのでしょう。
この日は唯一「アンショップ」なる手作りの品々の委託販売をしているお店が開いていました。
お店のおばあさんはカナディアンワールド公園の常連として通っていたところ、テナント借りませんかと言われてお店を開いたのだそう。
誰も公園に来ない日は山菜を採ったりしているとの話を聞いたときには、ここはアンのファンだったり、この場所が好きな人が集まって維持している事に感動を覚えました。
ここの人たちは商売じゃなくて、好きでテナントを構えているのでした。
ここに来るまで、バブルらしい観光開発が頓挫して、町が中心となって細々と園内を維持、苦肉の策のテナントシステム…と思ってました。しかし、そこに息づく人々は、この素敵な公園を心底から愛し、ここに暮らしているのです。
ここの人たちはなんと豊かで人間らしい生活をしていることでしょう。

おばあさんは色々教えてくれました。輝く湖水にいるガチョウの事、四千人が集まるキャンドルナイト、春に公園が開くと真っ先にやってくるアンのファン達…

お土産を何点か買い、地元の飲み物をもらったりして再び園内を巡ります。
坂の途中のお店では、何故かネクタイが200円。見ればこの前ダメにしたネクタイと同じ柄なので即買いでした(笑)
この間、すれ違ったのは僅か2組。園内の人口密度までがアヴォンリー並です。
別の家では庭先で桑をふるう姿も。実に長閑な空気が漂います。

維持するのも大変な広い園内。建物にはあちこち痛みが目立ちますし、運営費がかかると見なされた物は閉鎖され、テナント未入居のまま閉ざされた建物もあります。噴水の水は枯れ、道内一のラベンダー畑と宣伝された斜面にはただ土があるばかり。
しかし、バブル時代特有の悪趣味さは無く、レジャー施設にありがちな何でも有料の商売っ気は皆無。全てがボランティアベースに成り立っており、好きな人が集まっている事が伺えます。

園内を一周してグリーンゲイブルズの前のベンチに腰を下ろし、持ってきたパンを食べました。
ヨメが持ってきたiPodでアンの曲を聞きながらグリーンゲイブルズを眺めます。
庭をぐるりと一周し、もう一度アンの部屋へ。
しばし堪能して、グリーンゲイブルズを後にしました。

後ろを振り返ると木の陰に隠れてゆくグリーンゲイブルズ。孤児院に送り返されるアンの様に振り返ります。何度も何度も振り返りながら、ここで過ごした僅かな時間をかみしめます。

坂の上にあるケンジントン駅のトイレ、虫がいるのではないかとビクビクして使いましたが、ちょうど日陰になる位置なので一匹もいませんでした。トイレはここがおすすめです。

後ろ髪を引かれながら下り坂を30分歩き、芦別温泉バス停へ。今度も始発から満員でした。

2011年7月に訪れたときの日記はこちら

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コメント

素晴らしいレポートをありがとうございました!
読んでて涙が出ましたよ~~~~~
私もお金が有り余るほどならば、テナントとして入りたいくらいです!
年末ジャンボ買うしか・・・笑

こんなに素敵な施設なのに、もっと有意義に使用できないのかしら?
キャンドルの時だけなんて、もったいないなぁ。
ラベンダーもいっぱいで、トイレもきちんと掃除して、
教会で結婚式も大々的に宣伝して・・・なんて無理ですよね~
このご時世。。。はぁ・・・
でも、アンを心から愛している人がいる事が嬉しいです。
お疲れ様でした。

投稿: 鈴音 | 2010年10月12日 (火) 21時41分

多分テナント代はそんなに高くないんじゃないかと思います。
むしろ問題は、テナントを開くには店番が必要と言うところ。
これは芦別に移住とか、せめて北海道移住しないと厳しいですね~。

大々的な宣伝は、かつてテーマパークだった頃TVCM流していたそうです。
この後、夕張に行ってきたんですが、ここ以上に使われない建物の山といった状態でした。ハコモノ観光はどこも持たないですね。確かにあれで2000円以上入園料取ってたら二度目は行かないだろうなと思います。

ここは公園として一般開放され、そこを愛する人たちが集まっているからこその魅力があるのだと思います。清掃はしっかりされています。人に対して虫が多すぎるだけなんです。

でも、とりあえず姉さんは行った方が良いです。アン好きなら一度は。これだけは断言できます。

投稿: GLUMip | 2010年10月12日 (火) 23時51分

素敵なレポートありがとうございます。
アニメ版が好きな私としてはカナダまで行く必要が無いのは嬉しいのですが、それでも関東からとなると遠い場所ですね。

機会があれば行ってみたいなぁ...。

投稿: | 2010年10月16日 (土) 08時23分

アニメ版だとギャップを感じる(アニメ独自の設定があるため)のも事実です。
その気になれば旭川空港経由で日帰り可能ですが、他の観光とセットにしないともったいないですね。
建物が現存している内に行きたい場所です。
うちも、もう一度行きたいと思ってます。

投稿: GLUMip | 2010年10月20日 (水) 22時18分

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