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2012年4月16日 (月)

100年前のネット社会

符号化した電文を使って遠方の相手と会話する。チャットである。
これが100年前からあったというのだから驚きだ。

3年越しに読みたいと思っていた本「ドレスを着た電信士 マ・カイリー」を読むことが出来た。

電報というと、モールス信号でトン、ツー、トン、ツーと送受信し、電報配達人が運んでくるアレである。
「チチキトクスグカエレ」とか書いてあってヒロインが玄関先に崩れ落ちたり、戦死したはずの息子から「コウベチヤク ゲンキ アトフミ」と届いてすっかり白髪になった母親が人目憚らずに泣いたりする、それである。

電報は電線(電信線)を使い、モールス信号を流して送受信するものだ。
電報局が電信線でネットワーク化されており、電報局では送受信を行う電信士がいて、モールス信号音を聞き取り、電文の送付先に応じた回線にモールス信号を打ち直して転送するのである。

回線が空いているときには電信士同士がモールス信号を使って会話をする。現在で言うチャットである。
モールス信号で喧嘩をし、ラブロマンスが生まれることだってある。(実際、実在の主人公「マ・カイリー」は通信先の電信士と結婚)
それどころか、女性電信士になりすまして通信先電信士をからかう行為まであった。これはネカマ(ネットオカマ)じゃないか。
電信士は回線が空いていると、良い仕事条件をモールス信号で電信士仲間に聞いたり、直接電信会社に売り込んだりしてたという。これもネットで職探しに他ならない。

現代とやっていることが変わらない「100年前のネット社会」の一端がかいま見られる。
久々に買って良かったと思える一冊であった。

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