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2014年10月25日 (土)

コミックマーケット86を振り返る

今回のコミケは楽しかった思い出が多い。

初日は一般参加の方をブリッジ内でお出迎え。開場前に列をためるわけですが、一言、暑い。
ひたすらに暑い。通路幅一杯に人がやってくるので、先ほどまで空調が効いてやや涼しかったブリッジが一気に熱帯と化してしまう。
酸素も不足するので入場順路の説明をするにも息が切れる。そんな普段のコミケの光景だけが記憶に残ってます。
初日の入場はドタバタ劇になってしまい、連携や連絡などで課題が残った感じ。一般参加の方には迷惑をかけない範囲で収拾を付け「なんとかなった」けど、うまくいったとは到底言い難い。様々な自己反省を抱えながら、大過なく午後を過ごし、二日目こそはと心に誓って一日目が終わったような…他にも色々あったはずなんだけど、綺麗さっぱり記憶が消し飛んでます。楽しかったことも、辛かったことも、異常値を示すほどの出来事じゃなかったという事ね。つまりは平和だったと。


二日目はブリッジの一般入場列後方を担当。新人の若手スタッフに入場順序と諸注意説明を説明してもらった。一端お手本を見せただけでのぶっつけ本番、一応次に言うことは「携帯電話の注意」というようにお題目は言うんだけど、それだけで言うべき事を考え、伝えてもらう。これは一回やると声の出し方が変わってくるし、度胸がつく。なにより、(ちゃんと事前に説明さえすれば)一般参加者が応援してくれるというのが、なによりの力になる。今回も新人君が言葉に詰まると「頑張れー!」と温かい言葉が飛んできたり、次に言う注意を教えてくれたりと、一般参加者に支えられていた。この経験というのは大事な経験だと思うのだ。

なおも時間に余裕があったので爺の繰り言先輩として心構えみたいなものも説いてきた。
アナウンスのテクニックは君達も教わったろう、しかし参加者に対して通り一遍の情報を声に出しただけで満足してはいないか。
例えば、アナウンスをする前に「おはようございます」と言えば、聞き手も「聞く準備」ができる。突然話し始めたのでは聞き漏らす。これはテクニックの一つではあるが、その後、本当に伝わるアナウンスをしているだろうか、聞いてもらうための努力をしているだろうか。
伝えるために分かりやすく情報を整理せねばならない、そして伝えたいという気持ちを持って臨んでいるだろうか。
以前新人スタッフにコツは何かと聞かれ「アナウンスをしているんじゃなくて、参加者の心に訴えているんだ」と答えたら鼻で笑われたが、ここにいる人にはね、こっちが真剣に伝えれば伝わるんだ、本当だぞ。最近の受け狙いの風潮に流されないで欲しい…というような事を言ってきた。

さて、列はブリッジの幅員一杯に広がっている。ここから4列2本と8列一本の列を抽出しなければならない。非常に難しいので、恐らく「4列」「8列」と叫んで飛び回ることになろうと思っていた。
だから、事前に「この後皆さんは歩きながら4列を作ります。難しいことですが、皆さんならできると私は信じていま
す」と言って一般参加者のやる気を引き出した。恐らく、新人君は無理だろうと思ったろう。
まだ時間がある。折角高まった士気を下げてはいけない。
「かつて私が「最後まで走らないで」と言った列は、隣の列が崩れて走り出しても、整然と列を維持したままホールの中に入場していきました。あれ程綺麗な列を私は見たことがありません。もう10年も前のことです。あれから10年…最近はマナーが悪くなったと言われていますが…私はそうは思わない。今日、皆さんは移動開始とともに綺麗に列をつくり、走らず、前の人を抜かさずに入場する。皆さんが伝説を作るのです。ここにいる新人スタッフにそれをみせてやってください」
列の先頭集団の反応を見ながらのやりとりなので、一般参加者の口から漏れた単語を拾ってアナウンスの台詞を組み立てていく。一般参加者が「伝説だ…」と漏らせば、「皆さんが伝説を作る」と応じ、頑張りますと言われれば「頑張ってください」と締める。酸欠になりながらの不思議な一体感。文字に起こすと青臭い台詞でも、本震で語るなら共感を呼び覚ますものなのだ。

列を作るときは「貴方が先頭」と一人ずつに声をかけて先頭をつくり、その後ろに並んでもらうのがセオリーなんだけど、この時は違った。誰がどうやったのかはその瞬間を見ていないから分からない。もしかしたら先頭を担当した若手が声をかけたのかも知れない。だが、結果として、列は綺麗に分かれた。うちが再び後ろに振り返ったとき、4人・4人・8人の列ができていた。
これには感動した。ブリッジ一杯に広がったのが、こんなに綺麗に分かれるとは正直思っていなかった。列になっているかなっていないのか分からないような人々が押し合いへし合い進むのだと思っていた。だが、先頭から4~5列目まではきちっと分かれている。先頭が分かれていれば、その後は自然に続いていく。もう大丈夫だ。

Webでももう一度言いたい。「最近はマナーが悪くなったと言われていますが、私はそうは思わない」10年前も、今も、心を込めて呼びかければ、それに答えてくれる仲間が参加している。それがコミケなのです。


三日目の一般入場は列先頭でアナウンス。通常、最先頭でアナウンスするのだが、最先頭はいつも列を乱さずに綺麗に進むので、立ち位置を最も列を乱しやすいあたりに変更。前方も聞こえることを確認して、普段より丁寧にアナウンスを心がけた。
「移動中に携帯電話やスマートフォンを使っていると…どうなるでしょうか」
(列の中から)『抜かれます!』
おい、うち以外のスタッフは全員「危険です」とアナウンスしているはずだぞ。君は昨日もうちのアナウンスを聞いていたのか(笑)
「その通り。移動中のケータイ・スマホは速度が落ちて、抜かれますね。当然、危険でもあるのでご遠慮ください」
事前に危ないからやめるように言っても、つい見てしまう。それならば、如何に自分の不利益になっているかを示した方が抑止力があるのではないか、と利益誘導型のアナウンスを試してきた。少なくとも、聞いている人がいたということだろう。驚くと共に、ありがたい事だと感じたのだった。

昼頃には東4ホール前の4連エスカレーターに参加者が集中。
奥のホールに近いエスカレーターまで誘導して負荷分散を図りたいが、途中の導線が交錯しているため思うように誘導できない。
そこで、右側通行を左側通行へ切り替えることになった。これが楽しい。
後方が将棋倒しにならないよう、渋滞状況を加味しながら人の流れを止めて列を形成、別のスタッフの手によって反対側の流れも止まったところで列全体を右側から左側へと壁に寄せさせて一気に切り替えるのが理想なのだが、対向列がばらけてなかなかうまくいかない。こうなると後は気迫がモノを言う。通路幅一杯にばらけて歩いて来る対向者に向かい、「左側通行です!」と言って誘導をかけながら、4列に並んだ自分の誘導列を強引に左端に突っ込ませる。自分の列がひるんで列を崩そうものなら終わりである。だから、後方に向かって「列を作って、乱さないでください」と呼びかけ続ける必要がある。絶対に左側通行にするぞという強い意志を見せないと、列は崩れてしまう。最終的には気迫勝ちして事なきを得たが、こう言うときこそ新人君と一緒に取り組んで経験させたかった。

他にも色々あったが、色々楽しい出来事の多いコミケだった。
サークルはヨメのスペースで売り子だったが、高橋留美子系丸ごと壁配置。閑古鳥かと思いきや新刊完売となり、多くの友人・仲間が訪ねてきてくれて手が足りない・話し足りない状態だった。新たな出会いもあり、まっこと青春の縮図のような空間である。

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