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2015年1月4日 - 2015年1月10日

2015年1月10日 (土)

寝台特急北斗星

北海道に行ってきた。

偶然にも北斗星のきっぷが手に入った。
開放B寝台上段という、北斗星の中では最もしょぼい席になるが贅沢は言えぬ。
今のご時世北斗星の席が取れただけでもありがたい。泣いても笑っても3月のダイヤ改正でで定期の北斗星は廃止になってしまう。
新幹線工事のためと分かってはいるが、なんとも残念だ。

さて、今回は上野から札幌までの全区間乗車することにした。
上野駅はカメラやスマートフォンを掲げた人たちがホームのあちこちで撮影している。
行ったときには既に入線していたのであけぼのの時のようなひしめき具合ではなかったが、負けず劣らずかなりの人だ。
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一応記念にとヘッドマークを収め、北斗星札幌の方向幕をぱちり。
すかさず食堂車へと赴き、シャワー券の発券を受けようとすると、なんと食堂車の端から端まで長蛇の列。
ほどなく出発して、食堂車の窓からホームを見ると見送りのカメラマンがホーム端に黒山の人だかりで車内でどよめきが起きる。
列はなかなか進まず、このまま大宮に着くのではないかと思いながら並んでいると、最後6席の声がかかって緊張。なんとか最後の1名として無事にシャワーカードを手に入れた。
そのままロビーカーでソファーに座り、パブタイムまでの2時間あまりを車窓を眺めて過ごそうとした。
ところがどうだ、小山を過ぎた辺りで列ができはじめ、瞬く間にのびてゆく。
これはまずい。
先頭から6人を数えたところで席を立つが、ロビーカーにいた人が一斉に席を立ったので列が一気に長くなってしまった。宇都宮に着く頃にはロビーカーを列が縦断。満員でみちみちになっている。立っていても通路が塞がるので座れる人は座りましょうと声をかけてもらったのを機に、ありがたく勧められた席に座る。結局食堂車に入ったのは21:30頃だったか。
声をかけてくれた人は自分の前、相席ご一緒しましょうと声をかけてもらい、同じテーブルに着いた。
聞けば、職場の旅行に一人だけ北斗星を使って北海道入りするのだという。廃止報道を聞いて無くなる前に乗ってみたいと思い立ったのだとか。お名残乗車はマニアだけではないのですなぁ。
それにしても、旅は道連れ世は情けとはよく言ったもので、旅の途上では往々にして近くの人がどんな人だったかで楽しくもつまらなくもなるものだ。
食堂車のドアにはリースが飾ってあったのだが、子供じみた人が車内を往復しているうちに引っかけたらしく、取れてしまった。
それを「すみません!すみません!」と車内に轟く大声でウエイターを呼ばんと叫び始めたから雰囲気は台無しである。
急速に車内の空気が悪化していくのを悟った私は、こんな時こそ格好良く振る舞おうと思い立った。
うるさいぞ、の声が飛び交う前に行動しなければならぬ。
すっと席を立ち、叫ぶ人の前に立つ。ちょっと杉下右京を真似てみる。
「私がお預かりしましょう」
問題児は去った。
たまに、柄の悪い人が悪態をついたりクレームをつけたりするのが格好良いと考えている節があるが、これは格好悪い。一方で紳士然とした振る舞いは、他者にとってもこころよく、格好良く映るものである。
事実、周囲の人に賞賛された。
容姿は努力にも限度があるが、立ち振る舞いで自分を格好良く見せることはいくらでも出来る。すなわち、紳士たることである。
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車内は上品さを取り戻し、食堂車でのひとときは実に愉快なものとなった。
先の出来事がきっかけで隣のテーブルとも会話を楽しむことが出来、最後は食堂車の皆で写真を取りあった。旅の途上でミカンを分け合ったりして仲良くなることはあるが、お互いのカメラに並んで写真に収まったのはこれが初めてである。

床についたのは23:30頃だったと記憶している。東北本線は北に行くほど揺れが大きい気がするが、眠れないと言うほどではない。
しかし、北斗星に乗るのもこれが最後だと思うとなかなか寝付けぬ。だが、一体仙台にはいつ着くのか、もう通過しているのかと考えているうちにおはよう放送で目が覚めた。寝たりさめたりを自覚のないまま繰り返していたらしい。徹夜したときのような体の重さはなく、普通に寝て起きたときのような塩梅だ。
函館でホームに降り立ち、牽引機の交換を眺めに行く。老若男女がホームでカメラを構え、ちびっ子までもがDSで動画撮影だ。
連結を見届けて食堂車に行くと、既に一回目の客で満席。順番待ち名簿に名前を書いてロビーカーで待とうとするも、ここも満員。結局食堂車に入れたのは八雲のあたり。
ずいぶんと待ったが、待つだけの価値はある。大沼を眺めながらの食事こそ出来なかったが、内浦湾を眺めながらの食事は実に優雅。進行逆向きの席に座ったので雪化粧した駒ヶ岳も見える。秀麗な様に見とれていると海岸線に沿って走っているから山の位置が右に左にと変わってゆく。少しずつ料理がやってきて舌鼓を打っているうちに長万部を出発。
その後、朝シャワーですっきりしたら、もう東室蘭だ。
B寝台で同じ区画のカーテンも開き、見れば昨日一緒に食事をした人ではないか。意外にも隣だったという事実に笑っていると早や札幌。
寝台車との別れを惜しみながらホームに降り立ち、冷たい北海道の空気に我が身をさらす。
ホームでは早くも撮影会が始まっていた。


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