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2019年3月

2019年3月 2日 (土)

宗谷本線ラッセル車を尋ねて

いつかこの目で見たいと思っていたラッセル車の除雪シーン。
遂に、あの、宗谷本線で見てきました。しかも吹雪の日に。

前夜から天気は荒れており、宗谷本線入りした列車も25分遅れ。おまけに除雪を行う「ラッセル車」の挙動が普段と違っておりラッセル車による「排雪列車」は運休になるかもとの情報に気をもみながら迎えた当日朝。
旭川方面が大荒れらしく、JR北海道のサイトは午前中の運休予告。だが、ラッセル車はどうやら走りそうだとの情報で、ラッセル車撮影ツアーは予定通り出発との由。
そう、うちは名寄発のツアーに参加したのでした。

この日の気温は-10度くらい。ツアーの車に乗っていると、窓がどんどん曇って見えなくなります。
タオルで拭こうとしたら、なんと走行冷却で凍結していて除去不能。道中ホワイトアウトしながらも車は音威子府方面に。
撮影場所に着くとまずは山越えです。先人の残した雪中の踏み分け道を進むと、なんと絶景哉。
頂はびゅうびゅうと風が吹いて帽子が飛ばされそうになるので山肌の撮影ポイントまで進めば山の影に入り風も無くなりました。音威子府警察の人がシートベルト着用キャンペーンの宣伝に来て撮影に応じたり、陽光が差し込んだり陰ったりを繰り返す様に一喜一憂しているうちに同行者が「来たぞっ!」と一声。
Soyal1

あぁ、これがラッセル車か。

あっという間でした。
これを見るために北海道まで来て、25分遅れの特急にハラハラさせられながらたどり着いたのだ、という感慨や余韻を噛みしめるいとまも無かった。
結局持ってきた軽量三脚は撮影には全然役に立たず杖代わりに大活躍。
次の場所、次の場所と歩みを進めると線路脇に多数の車が停車している場所へ。絶好のロケーションは先客で占められているのでその後ろから撮影しようと構えていると、途中でにわかに空がかき曇って吹雪に。
悪天候の中やってきたラッセル車が雪をはね飛ばして鉄路を切り開く、その様子を見届けて車で追う。撮影者とはなんとも皮肉なものです。乗らないんだもの。
Soyal2
Soyal3

しかし、雪まみれになったラッセル車が苦闘を繰り広げる様は、そりゃ写真に撮りたくなるのも納得の光景。感動でした。

ところが、快調な撮影とは裏腹にJR北海道の公式サイトには次々と運休の情報が。
午前運休だったのが旭川~名寄間終日運休に。うちが乗る予定だった旭川発稚内行特急も全区間運休。同行の人々が「旭川に行けない」「帰れない」「空港に行けない」と悲鳴を上げます。
高速バスなら動くのか、高速閉鎖なら運休するかもしれないがとりあえず予約しようかと逡巡している内に満席表示が出て、次々に名寄から移動できない帰宅難民化していきます。
かくいううちも特急運休で稚内に行けず、旭川にも行けずでは名寄にもう一泊するしかない。どうなることか、と思っていると、後続の普通列車1本の運休情報は出ていません。もしや、運転するのでは?淡い期待を胸に撮影行を終えて名寄駅に行ってみると、なんと今日は14:55発稚内行の1本だけ運転する事を告げる表示が…
Soyal4

そう、うちらが見届けたラッセルは、たった1往復の列車のために働いていたのでした。
吹雪に負けず走ったラッセルが切り開いた血路。
その列車に乗ったのはうちを入れて6名。智恵文で1名が降り、美深で3名が降り、雄信内で1名増えて、幌延から南稚内までもう1名が乗り、稚内着は3名。
通算8名が乗車したのでした。

地元の撮影ツアーに参加した人達は結局旭川行きの路線バスに乗ってましたが、ツアーではない人達は一体どこから来てどこへ行ったのでしょう。ラッセルが拓いた鉄路に乗った撮影者がうちだけとは、どうにも寂しいじゃありませんか。

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