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2016年4月 9日 (土)

素晴らしき哉、盛岡バスセンター

盛岡バスセンターの話題は以前から耳にしていて、昭和レトロだとか、いつなくなってしまうのかとか、改築計画が計画が出たり消えたりと聞くに及び、気をもんでました。
先日遂に現地を訪問しましたが、いやはや凄い。再開発ビルが跳梁跋扈する盛岡市街の一角に、かくも昭和を感じさせるバスターミナルがあるとは。
日曜日の訪問だったのでバスセンター内にはのどかな空気が漂い、店は軒並み店じまい。開店中が素晴らしいそうなので平日に再訪したいところです。

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お洒落なロゴは現代にも通用する出来。

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待合いロビーは開店していれば賑やかになるであろう店が並びます。

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バスは頭を建物側に突っ込み、誘導員の合図でバックして出発。発車時刻になるとブザーが鳴り行灯型の合図機が点灯します。

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バスの券売機に有人カウンター。いや、「出札窓口」と呼ぶべきかも知れません。

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休日で閉店していた時計店。この看板が昭和の空気。

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開店時に訪れたいお店の筆頭です。
当日は唯一ラーメン屋がやっており、もちろん賞味して帰りました。

バスセンターの外側には閉鎖された地下道があったりと、色々興味を引かれます。重要文化財となっている名建築を訪問するついでに、バスセンターにも是非。

バスセンターを見られるのは、今年の夏が最後です。
河北新報 盛岡バスセンター年内解体 昭和の面影消える

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2015年8月 6日 (木)

流氷に乗ってきたぞ

いやー、暑い!暑いですね!そんな皆さんに今年の冬の北海道旅行記です。

予約した途端に経営破綻が伝えられたSKYMARKの航空券を握りしめ、羽田空港の搭乗口で待つこと1時間。時間になっても全然ゲートは開かず、結局羽田を出たのは1時間遅れ。遅れた飛行機に新千歳のボーディングブリッジが空いているはずもなく、沖止めからのバスで北海道の大地を踏みました。
すっかり夜になった札幌では流氷特急オホーツクの風の入線を見物。明日これに乗るのだと思いながら、札幌駅近くの「エレクトリックシープバーJR55札幌駅店」(名前長いな)に。ここは札幌駅の桑園方に出入りする列車を眺められるのです。幸いにも窓側の連席が取れ、たばこの煙も運良く流れてこなかったので快適快適。大人の雰囲気なので、カメラ取り出してパシャパシャやるのが憚られるので写真は無し。

さて翌日。オホーツクの風は展望席最前列を確保していたのでワクワクしながら札幌駅の階段を昇ると、そこにいるのは183系4連。前の列車がまだ出ていないのかと思いきや、車両不具合のため車両変更との由。所定より指定席1両不足のため、哀れ展望席は車両中心付近の席に変更となったのでした。とどめに、車内販売無しの為、予定していた昼食の駅弁確保も失敗という、久々に踏んだり蹴ったりの展開。
オホーツクの風は定期のオホーツクに比べ、30分遅く出発して1時間遅く終着するというゆっくり列車。乗車時間5:52というロングラン列車です。臨時列車なだけあって、定期列車の合間で走るらしく駅間速度もゆっくり。しかも、走り始めてすぐに運転停車で側線に入り、定期のスーパーカムイに抜かれます。特急に抜かれる特急とは久しぶりに乗りました。先を急ぐスーパーカムイは旭川まで、1:25、対して我がオホーツクの風は1:42。どうりでスジが寝ているわけです。
大麻-野幌間でもうすぐ全廃となる711系と行き違い。その先でも711系は2列車を車窓に眺め、国鉄色復刻編成を含めて見ることが出来ました。
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砂川のあたりでは木々の先が陽光を受けてキラキラと輝いています。何かと思ったら樹氷になっているのでした。幹には氷が着かず、枝の先の方が凍っている。まるで桜の花が白く咲いたようになっている木もありました。
旭川から先は山間を右に左に曲がりながら走ります。川は結氷し、ところどころで思い出したように水面が見え、またすぐ氷の下に流れは潜ってしまう。どうにも不思議に見えるものです。
車内は暑く、上着は全部脱いでしまいました。
意外にも旭川から先に樹氷はありません。列車は雪深い山中を右へ左へ。幾多の駅と信号場(廃駅)を通過していきますが、駅だけは除雪されています。前回、駅で折り返すハメになった思い出深い丸瀬布、短時間ですぐ出発した遠軽、寒かった記憶が強い北見を過ぎ、気がつけばお腹が空いたとの感想と共に氷上のワカサギ釣りと覚しきテントの林立する網走湖を左に見やりつつ、網走駅へ。

網走駅では流氷ノロッコ号へ。指定席満員だったのですぐさま乗り換えます。駅弁よりも先に座席!
ノロッコ号指定席は外国人観光客の山!いったいどこから来たのかと言うほど多くの乗客が。一本前のオホーツクと合わせて二個列車の乗客が集中しているとはいえ、途中駅でかなり下車しているはず。うちが乗ってきた列車だって網走到着時の乗車率は4割ほどだったのですから…観光バスなんでしょうか?
最大限の編成で網走を出発!しばらく走ると、待ちに待った流氷が見えてきました。海の上に白い物が…
列車が走るにつれ、次第に流氷の面積は増えていきます。
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喫茶「停車場」で有名な流氷の見える駅、北浜では一斉に観光客が降りて展望台へ。うちも登りましたが、観光バスがやってきて駅は大混雑。喫茶によるのは憧れですが、この列車を逃すと大変なことになるので、ペコペコのお腹を抱えながら出発。新しい駅舎の知床斜里で下車し、路線バスでウトロ温泉へ向かいます。
空港発のバスに乗ったらこの後のバスがホテルの前まで行くよと言われ、一般乗り合いの路線バスを待つことにします。路線バスには大量の団体客が。どうも定年後のご一行らしい。幹事と覚しき老人が、最後の地元客が降りたあたりで運転士に話しかけます。
「景色の良いところで止まってよ!なっ!」
こういう時、昭和20年代生まれは強い。うちでは絶対に口にできません。
おかげで、運転士さんは観光案内をはじめ、全部聞くことが出来ました。
天に続く道と言われている一直線の道を進み、これから山に登ると言うところで左に曲がると、やがて坂の下に一面の流氷が広がります。釧網本線で見たのとは全然違う!海の半分以上が流氷!
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そして宿に着くと、窓の外に一面の流氷と街の灯が…
お世話になったいるかホテルはずいぶんと快適で、家庭的な雰囲気。宿に来た人との会話も弾みます。
オーロラショーも見に行きました。
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ドラム缶でガンガン火を燃やして煙を立ちこめさせたところにレーザー光線を放つという観光客向けイベント。綺麗でしたが気がつくと体からたき火の臭いが(笑)そしてひたすらに寒い。足下からじわりと冷えてきます。正直最後は辛かった。北海道の長靴は靴底に耐寒用のセラミックパネルがあるそうですが、内地の靴では限界がありました。靴を北海道仕様で揃えて行くべきでしょう。ウトロに泊まるなら一見の価値はあると思います。

翌朝は早朝出発の流氷ウォークツアーに参加。
なにせ以前の流氷観光は空振りだっただけに、流氷の上に乗れるとは感激です。
専用の耐寒スーツを着て歩行開始。屋外は極寒。分厚いスーツ、気分は海王星です。
流氷はどうも溶け始めているらしく、あちこちに亀裂が入っています。インストラクター曰く、歩けるのは午前中までだろうとの事。幸運でした。
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岸に近い所の流氷の谷間で訓練してから沖に向かって歩き出すと、所々薄氷があり思いっきり踏み抜いて下半身水没というハプニングもあります。前でもドボン、後ろでもドボン。専用スーツのおかげで上半身は浮くので、皆に引き上げられて復帰していましたが、全員笑顔でした。薄氷の箇所や平滑な氷は流氷ではなく、流氷の隙間の海水が凍ったのだとか。海岸沿いは板状の氷が積み重なっているのも同じ理由です。
自分の乗った氷にひびが入って沈むというのも体験しました。氷の上に座っていると、いつの間にか足下に水が。次第に足場が傾いていって気がつくと水没しています。いつの間にか完全に水の中で、スーツのおかげで浮いている状態に。
よし、無事な氷によじ登ろうと手をかけるとそこも沈む。上半身を氷の上に横たえて、必至に上ろうと脚をバタつかせると、そのまま上半身を預けた氷が傾いて水没してしまう。やがて腹ばいになるからいけないのだと気がついて、背中を氷に乗せてせり上がると何とかなりました。これも貴重な体験で面白かったです。
そろそろ出発ですとインストラクターに言われて、楽しい時間はあっという間だ、もっと遊んでいたいと思いながらも陸地に向かうと、あっちでつまづき、こっちで転びそうになる。耐寒スーツの重さで体が疲れていて脚が上がらないのです。それを考えるとコースの時間配分は絶妙でした。

もう一日分遊び尽くした気持ちになって、その後の朝食では去るのが惜しい気持ちに。流氷を眺めながら珈琲をいただき、満ち足りた気持ちで出発しました。
その後は摩周駅に出て、地元弟子屈町が行っている観光バスで摩周湖へ。霧で視界が全然聞かない上に非常に寒い!バスに戻るにもバスが見えません。さすがは霧の摩周湖。
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その後は凍結した屈斜路湖畔の砂湯に憩う白鳥を眺めたり、雪の中で水蒸気を吹き上げる硫黄山を眺めたり。それにしても、僅か1500円でフリーパスが買えるなんて安い。レンタカーいらずです。視界30mを切る霧の中や雪道をレンタカーで走ったら多分うちはスクラップになっていることでしょう。ありがたい取り組みです。

翌日は釧路湿原を定期観光バスで巡ることに。外国人ツアー客の多いこと!
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未だ訪れたことのない鶴居村、タンチョウを保護しており沢山見られると聞いていましたが、行ってみてビックリ。一面の丹頂鶴ではないですか。驚きました。そしてそれを囲むカメラマンの数!立派な超望遠カメラが一列に並び、それはそれは壮観でした。
その後は釧路湿原展望台方面へ。途中、鶴居村営軌道の痕跡と思しき道を車窓に見つけてワクワク。展望台の道案内を見ると、どうやらあたりだったようです。
釧路湿原を一望し、食事を済ませたらバスは釧路湿原の中を横断します。
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舗装が尽きた道をゴトゴトと走っていくと、ノロッコ号の車内からの眺めとは異なった、また新たな景色が。
湿原も遠くから見るのと中から見るのでは全く感想が異なります。未体験の人は是非行った方がよいでしょう。
湿原の景色に感動し、後は帰路につくだけ、と思いきや、なんと帰りのノロッコ号が機関車故障で運休!
定期観光バスの途中下車をやめてそのまま釧路まで直通し、根室本線で市街から外れた別保まで進み、日没を眺めて折り返し。いやー、綺麗だった。
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最後は太楽毛駅から空港行きのバスとLCCを乗り継いで関東に帰ってきました。
いやはや、慌ただしくも楽しい、北海道の魅力を濃縮した旅でした。

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2015年5月 7日 (木)

陸前高田、2015春

大船渡線に乗った記録は十年以上前になる。
BRTでの仮復旧がなされ、せめて車窓から復興の様子を一目見んとBRTに乗車してきた。

復興の槌音高く、と書くと聞こえは良いが、甚大な被害が出た陸前高田の市街地の復興の様子には衝撃を受けた。

なんだこの景色は。

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視界を遮る台形の土の山、山、山。まるで迷路にでも迷い込んだ気分になる。
見上げれば市内全域が採石場にでもなったような長大なベルトコンベアが縦横に張り巡らされている。
吊り橋かと思えばベルトコンベアで、その横のデコボコの仮設橋をバスが走るのだ。
ゆりかもめが開通したばかりの頃の臨海地区だって、巨大ベルトコンベアを町中に張り巡らせるような事はなかった。
三陸鉄道が部分復旧したときに見た、基礎コンクリしか無い町並みも衝撃だったが、こちらも衝撃だった。

二階建ての屋根を越えて土砂は積み上げられ、盛り土の上にやがて新たな町が形成されるのだろう。

復興相成った町をこの目で見たいとも思ったが、果たしてその時、一体何で行くことになるのだろうか。

大船渡線をBRTで仮復旧した選択は、うちは正しいと思っている。理想を言えば趣味的には鉄道で本復旧を図ることだが、高速道路の延伸計画も、鉄道の復旧も両方実現というのは難しいのではないだろうか。

線形が悪い大船渡線を、残された敷地で復旧させたとして高速道路に勝てるわけがない。JR四国も九州も北海道も、鉄道事業収益が厳しい三島会社は高速道路の延伸で経営体力がどんどん奪われた。JR東日本だって首都圏の収益の内部留保でローカル線を維持している。
赤字になるのが分かり切っている鉄道を今までと同じJRが復旧させ経営する事が要請されていながら、ライバルになるようなインフラは税金で整備する。むちゃくちゃな話である。
地方のインフラ整備をするなというのではない。持続的に公共交通体系が維持できる枠組みを作らなければ、鉄道で訪れるのは夢また夢だ。

そんな事を考えていると、骨組みだけの建物がちらりと見える。
バスの中から黙祷を捧げ、顔を上げると非日常に思えた景色はあっという間に遠くに過ぎ去っていた。

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2015年2月 8日 (日)

横浜ランドマークタワーの麗しき夜景

横浜ランドマークタワー展望台には初めて登った。
視界は房総半島まで見えるが富士山は見えないといった感じ。
桜木町駅方面(南方)を見やると、首都高狩場線まではビル群、その向こうは途端に住宅街になることに気づいたりと、なかなかに面白い。

しかし、なんといってもやはり、都会は夜景が美しい。

小さなコンパクトデジカメだけど、最近はカメラが優秀なので画像をやたらと拡大しなければ綺麗な写真が撮れる。
中でもお気に入りなのがこれ。家路へ急ぐ列車は、通勤列車のそれであっても物語を感じずにはいられない。
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目の前の遊園地とホテルが描き出す都市空間は、まるでゲーム「A列車で行こう」のコンセプトアート。
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夜景は完全に日が落ちてからの方が美しい。時間が許せば日没前後で見比べたいものだ。
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2014年11月14日 (金)

伊勢神宮写真ダイジェスト

お伊勢参りは近鉄特急で、ということで行ってきました、伊勢神宮。
絶賛原稿執筆中なので、写真ダイジェストでお送りしましょう。

伊勢神宮内宮、橋のたもとに彩りを添える花一輪。
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橋の梁にも屋根を付けるのは、日光の神橋でも同じ構造をしていました。雨水から守り木材の腐食を防ぐ狙いがあるとか。

参道の雰囲気は「いまだ幕府の支配下にある日本」のおももち。
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車とか道路は現代なのに、建造物はことごとく江戸から明治にかけての雰囲気。

「天の岩戸」に行くバスは1時間に一本程度。Webの観光案内を信じてバス停「天の岩戸口」から歩いていったら歩くこと歩くこと…案内の時間でたどり着くのは麓の駐車場。2時間後のバスに乗るつもりで行くべきでした。
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途中の木漏れ日が非常に美しかったのです。

横山展望台から伊勢湾を望む。今回の旅で一番疲れて、一番景色が良かったのがここ。
駅から徒歩三十分とgooglemapは言うけれど、上り坂だから単純に距離で時間は計れない。
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ビジターセンターから先の上り急勾配がトドメ。行きは片道45分かかった。最寄り駅にはバスもおらず、ハイキングとして覚悟が必要。駅からの往復なら2時間以上は確保しておきたい。1時間半では殆ど往復時間で終了、見物の余裕がなかった。あの景色はもっと長居すべきだった。

念願のしまかぜ。伊勢市や宇治山田で降りず、一端終点まで行きました。ありがとうフリーパス。
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座席は極上。今までうちは在来線最高の座席はJR北海道のキハ283グリーン車だと思ってましたが、しまかぜが取ってかわりました。
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グランクラスはまだ乗ってないので、新幹線を含めた日本最高の椅子は判定できていません。

そして、カフェカーでいただくフランボワーズのケーキ。これが美味しいんだ。
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2014年10月31日 (金)

嗚呼、立山黒部アルペンルート

黒部ダムに行きたかった。ずっとずっと行きたかった。
富山県側と長野県側を横断し、ケーブルカーにトロリーバス、未だに乗った事のない路線が存在する。日本全線全私鉄の走破に向けて、最大の難関になるのがここであろうと思っていた。

だが、思わぬ機会が訪れた。
一日自由な時間が出来、吾妻線を訪問すると決めていた翌日も旅行できることになった。
群馬県に行くなら、その足で富山まで行こう、新しくなった高岡駅に乗り入れる万葉線を見に行こうと決めた。(この辺で旅の選定としては既におかしいのだが)
富山県まで行くなら、帰り道に黒部ダムに寄ることも出来るのではないか、いや、いけるはずだ。
時刻表とにらめっこをして、なんとかなる、と判断した。

そんなわけで、八ッ場ダムに水没する吾妻線に乗り、その帰りに富山に宿泊した翌日からこの話がスタートする。

朝一番の列車で高岡まで行き、万葉線の付け替え区間に乗り、すぐ折り返して電鉄富山へ。
朝があまりに早かったので電車内では寝ていくことにして、目覚めれば立山まであと少し。廃駅跡を線路沿いに見つけたりして喜びつつ、立山到着。

さて、ここからが未踏の区間に。

まずはきっぷの引き替え。事前にWebで予約購入したきっぷを引き替え。
てっきり売り場は長蛇の列と思いきや、電車で来た人は僅かで殆どが団体客で拍子抜け。
改札口は確かに長蛇の列で、乗車列車予約制なのも当然の並び具合。日曜とはいえ、これで紅葉前。しかもWebでは空席の多い便を狙っているにもかかわらずケーブルカーは満員。辛うじて立ち席にならなかったものの、輸送力は土休日は慢性的に不足しているんじゃなかろうかと思うほど。
車内は当然満員。見れば周囲ぐるりと阪急交通社のバッチをした人に囲まれている。先のロビーの混雑ぶりを見るに、次の便は別の団体が乗ってくるのだろう。
ケーブルカーが動き出すと、立山駅の屋根が見え、次いで富山地鉄の線路がミニチュアの如く、そして遙かに富山平野が見えてくる。車内アナウンスによれば右手や左手に色々見えているらしいのだが、人々の隙間からかすかにそれらしき景色をかいま見るだけだ。
ケーブルカーを降りるとバスの改札から長蛇の列。バスまでは時間があるし、切符は通しで買っている。次のケーブルカーまでは時間があり、今更最後尾に並んでもこれ以上列はのびようもない。
それならば、展望台に登ろうと決めていた。
行列を尻目に駅舎内の階段を上がると誰もいない。ドアを開けると山々の向こうに富山平野がどーんと広がり、海まで見える。
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「すごい、凄い!」
思わず声がついて出る。感動的な光景だった。
バスまで時間があるとはいえ、そんなにゆっくりはしていられない。写真を何枚か撮ってきびすを返す。
駅の外に出て駅舎の写真もぱちり。
バス乗り場に戻り、列の最後尾に並ぶと、9時のバスの改札が始まっていた。丁度良いなと思っていたら、自分の前のあたりで列が切られる。ふむふむ続行便に乗ることになるとすると、これは窓際に座れる位置だとほくそ笑んでいると、改札の札がかけかえられ、一本後の便の札になってしまった。
しまった、こんな事になるのなら、ケーブルカーの写真を撮らずに真っ先にバス改札まで行くんだった!と思うも後の祭り。乗りたかったバスは満員で出発。
幸いフリーWi-Fiが設備されているので列に並んでいても暇つぶしには事欠かないのはとても助かる。
しばらく待っていると改札が再開。どうやら続行便が出るらしい。3~40分待ちを覚悟したが、杞憂にすんだようでほっとする。
列前方であったので無事に窓際を確保。後々分かったのだが左側の窓の方が眺めがよい時間が長そうだ。
バス内はちょっと暑く、むっとした空気。この便も満員で出発した。窓を開けて外の新鮮な空気に浸る。空気は涼しいが日差しがあり、とても心地がよい。
白樺林を抜け、やがてバスは展望のよい道を進んでいく。カーブの向こうに先ほど見えた富山平野が見える。
次第にそれは小さくなっていき、気がつけば背の高い木々は無くなり低木と高山植物に取ってかわる。
山肌には雪。訪れたのは9月上旬の事。あの暑かった8月前半の天候も、ここでは無縁だったのだろう。あの雪は8月を乗り切ったのである。
沿道にはぽつぽつと高山植物が淡い花を咲かせ、無数の池が低地では見られない不思議な景色を形作っている。
やがて、前方に大きな大きなビルが見えてくると室堂だ。
人工物がまるで無かった高山地帯に威風堂々と立っている。
バスを降りると、どこにこんなに人がいたのかと言うほどごった返しており驚くほど。
人だらけの階段を上り、屋外に出ると鮮烈な山の空気が肌を刺す。
最初はバスの中で暖まっていた体も徐々に冷えていき、たまらず登山用の上着を羽織る。
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美しい湖の向こうには温泉の湯気。気にはなったがメインの黒部ダムの時間が確保できなくなると困るので、湖を眺めるだけで引き返す。歩道の横には高山植物が咲き乱れているが、登山者が踏み荒らした自然を回復させているとの由。
室堂駅に戻ると、丁度トロリーバスが出発する時間であった。改札締め切り前であったのでそのまま乗せてもらう。
程なくして出発。出発したときの音で分かったのだが、なんとVVVFのトロリーバスであった。
トロリーバスは人生初の乗車。てっきりレトロなものをイメージしていたら拍子抜けである。
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滑車付きだと思っていたトロリーシューも摺り板付きの最新式。色々とカルチャーショックを受けた。
幸いトロリーバスは運転席の後ろの席が空いていたので隙間から前面が展望できる。
トンネルはぐるりと弧を描いており側線というか、側道のトンネルがある。それらを横に眺めながらモーター音を響かせて疾走するバス。どこかで見た光景に似ていると思ったら、そうだ。ディズニーランドのスターツアーズ(改装前)ではないか。なんとも近未来を感じさせる乗り物だ。
トンネルは単線トンネルで途中に交換所がある。バスは何台も続行しており、交換所の有効長一杯に停車して交換。どうやら輸送力を最大限確保しているようだ。
さて、ここからロープウエー。二本が行ったり来たりしているのであまり輸送力はない。どこもかしこも輸送力の小さな交通機関ばかりなのだが、一カ所だけ輸送力を強化すると破綻するので、全体のバランスを優先させているのだろう。
トンネルだけのトロリーバスから一転して非常に眺めの良いロープウエーで空中散歩。
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とはいえ、相変わらずの満員ぶりである。眼下に小さく見えた黒部湖が次第に大きくなってゆき、気がつけば終点。
ロープウエーの楽しい旅を終えると今度はケーブルカー。
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区間トンネルという黒部ならではのケーブルカーだ。車両はなんとも古めかしいタイプで見ているだけでワクワクする。
ケーブルカーの先頭に陣取ると出発直前にヘッドライトが点灯。照らし出されたトンネルのなんと格好良いことか。
ただし、トンネル内は暗く、カメラを構えてもどうにも写らない。上手く撮れぬともがいているうちに終点についてしまった。終点のレールの突き当たりに行燈型の電照看板が置かれていて「定期」「臨時」と書いてあるのが珍しい。

そして降りた黒部湖。時代がかったトンネルを抜けると、ダムの堰堤の上だ。
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観光放水で轟音を立てて水が放たれている。後から知ったことだが下流の河床を削らないように霧状にして放水しているのだそうだ。堰堤の縁から放水しているところを見ようと近づくと、途端に冷たい風を浴びることになる。そして水しぶきというか、霧の様に細かくなった水の粒が感じられる。霧になっているのだから当然虹も出る。
ここに来る前はさぞや迫力あるのだろう程度に思っていた。だが、実際に見たらどうだ。想像を超えたスケールの大きさと、貯水池側と下流側の間に温度差があり、上昇気流まで生じている事に予想を上回る衝撃を受けた。
折しも、湖畔では特別展示をやっており、そこの見学、レストハウスでの食事、展望台の往復とやっているうちに、あっという間に持ち時間を使い尽くした。同時に体力も使い尽くしており、階段の往復で足が棒。
黒部湖に着いた時点では、しまった、途中でもう少し観光してきても良かったと時間配分ミスを悔やんだが、黒部湖遊覧船に乗る時間が捻出できなくなるくらい、夢中になっていた。
帰りは長野県側へトロリーバスで移動。このトロリーバスも新しい。VVVF音がバスから出るのを見ると、新型EVの様で近未来の趣がある。
終点からはバス。
信濃大町で地元の友人夫婦が歓迎してくれ、鳥料理に舌鼓を打ったのだが、それは別の項に譲りたい。

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2014年6月 4日 (水)

うだつの上がる美濃の街

気がつけば、名鉄は美濃から撤退して「関」止まりで、ろくに知識もないままに無我夢中で名鉄600V線区に乗りに行った日々から大分月日が経ちました。
今では600V線区そのものが消滅し、岐阜駅前も以前からは想像も付かないような現代的な空間に様変わりしました。
今回は結局一度も足を踏み入れたことの無かった「美濃」に訪問することにしました。
早朝ののぞみで名古屋・岐阜を経由して美濃太田へ。
昼食後に訪れた長良川鉄道美濃市駅から歩いていくと、名鉄の路面電車が展示されている「旧美濃駅」にたどり着きます。
車両の保存状態もよく、外から写真を撮っているとまるで現役なのではないかと錯覚するほど。
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しかし、よくみれば架線柱は切断され、パンタグラフは宙を漂っているのに気がつきます。
車内にも立ち入れるのは素晴らしい。座席が撤去されている車両もありますが、ちゃんと現役当時の姿で残っている車両もあり、このまま末永く展示して欲しいものです。
ひとしきり見学した後は「うだつのあがる街並み」へ。
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うだつが上がらないという言葉は知られてますが、「うだつ」そのものを見た事がある人は少ないのではないでしょうか。
この日は祭りが終わった翌週でそぞろ歩きの観光客も僅か。じっくり見物できる反面、寂しさも漂っています。
それにしても、通りの家屋の立派なこと!防火用であった「うだつ」が隣家との境を成し、みっちりと隙間無く家が詰まっています。その家々の屋根が面白い。
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スカイツリーで「反りとむくり」が宣伝されましたが、「むくりのある屋根」なんてなかなかお目にかかれるものではありません。
二階には小さな扉が付いており、なんだろうと思っていたら火よけの神様を祭っているとのこと。こういう地域性や信仰の表れが一つの建築様式として結実していくなんて面白いじゃないですか。
全体としての統一感が町並みとしての美しさを醸し出しており、期待の通り落ち着いた雰囲気のカフェがいにしえの建物の一角で営業中。
その中の一つで甘い物を食べることにしました。
美味しい珈琲に心づくしのケーキセット。プレートにチョコで描かれた絵も楽しく、古民家改造の店内にはゆったりとした時間が流れます。
店のお姉さんとの会話も楽しく、サービスで頂いた紅茶もこれまた美味。
ここで使っている砂糖が絶品で、丸い粒がきらきらと光っています。こんな美味しい砂糖は初めて。和三盆より断然こちら。
町というと、美濃ではこの市街地を指すそうな。店が出来たときにお姉さんは「町の子か?」と聞かれた等とすっかり話し込んでいたら、気がつけば夕方になっていました。
残り半分の街並みを巡り、見学できる所は次回のお楽しみとして駅へ向かいます。
この日の夕飯は岐阜のとんかつ「ふくべ」
「ご無沙汰していまーす」と扉を開ければ、何処よりも美味しい味噌カツを出してくれるご主人とご対面です。
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ああ美味い。味噌ダレが絶妙で肉の旨さとマッチしている。岐阜の人は近くにこんなに美味い店があるなんて羨ましい。

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2014年4月21日 (月)

九州縦断旅行

遂にJR全線完全乗車のファイナルラン!
九州を縦横に駆けめぐり、列車に乗ってきました。

羽田発鹿児島空港行の飛行機の窓から鹿児島中央駅を見下ろして期待を高めての鹿児島入り。
みどりの窓口で「アラウンド九州きっぷ」を購入し、指宿のたまて箱の空席を聞くと、なんと本日の下りは全列車満席。空いている列車を探すと上りなら空席ありとのこと。
早速旅行の予定が崩れます(笑)
列車は喜入から鹿児島中央までの席を確保。列車までは当初は後で乗る予定だった鹿児島市電に乗ることにします。

丁度宮崎行の特急きりしまがあったので、この名車を堪能しようと鹿児島駅まで自由席に。(有明編成でした)
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その次まで乗ると、隼人で「はやとの風」と交換。はやとの風に乗ろうとすると少々危ないので鹿児島駅で折り返し1駅とはいえ乗ってみることに。
とはいえ、鹿児島駅で降りると大分時間があるので今の内に鹿児島市電へ。
市電一日乗車券を買おうとしたら5千円札しか無く、お金を崩す為に一本後の列車へ。これがいけなかった。
所要時間などを計算すると鹿児島中央駅まで行って折り返しして、10分余裕がある計算。
鹿児島中央駅に着くまでは良かったのだけど、帰りの列車が信号待ちやら乗降に時間を要したりでどんどん遅れ、鹿児島駅に着いたらもうホームに「はやとの風」が!
これから2Fの改札まで行ってホームに降りてだなんて、到底間に合うわけがないので泣く泣く見送り。
電停に戻って谷山行に乗車。
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在来車に比べて座席定員はあまり変わらないような気がするものの、乗り降りが楽なのはありがたい。
終点の谷山は立派な電停で、電停というより駅ですね。鹿児島駅と谷山駅、終着駅はどちらも立派な佇まいです。

途中の電停で驚いたのが郡元。
「郡元南口乗り場」と放送が流れて、郡元電停出発して交差点渡ったらまた乗降。系統案内図は1停留所なのに、実際には分かれているのです。
谷山からの折り返し列車は郡元で下車し、鹿児島中央駅経由の系統に乗り換えて、鹿児島中央駅で下車。
これで日本の全路面電車完乗達成したことになりました。

続いては「指宿のたまて箱」に乗りに指宿枕崎線で喜入駅まで南下。
途中、さっき乗ってきた鹿児島市電の線路が見えますが、市電とJRの線路の間の家はどうやって線路向こうの道路まで横断しているのか疑問に。踏切も見えないし、横断禁止の看板はあるし、線路と家以外に道路は見あたらないし…まさか隣の家の庭を横切って線路と平行に移動しているとも思えない。第四種踏切すらないのにどうやってるんでしょうね。

喜入からは念願の「指宿のたまて箱」ですが、既に窓と正対する1人席は人気で満員。窓割りと座席があってない席が空いてました。指定券を見ると、なるほど「窓とあってない席」です。
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木質材料をふんだんに使い、車窓を眺めながらついついお菓子や珈琲に手が伸びる喫茶店やラウンジの雰囲気漂う車内。
走る喫茶室とうたったのは小田急でしたが、この列車の窓を向いた一人席も走る喫茶室の魅力が漂っています。
お勧めのお菓子の紹介放送を聞いたら甘い物が欲しくなったので、放送のお菓子を一つ注文。
湾の向こうに桜島が見える眺望良好な車窓を堪能しながら鹿児島中央に戻ります。
車内あちこち楽しい仕掛けがありますが、水戸岡ファンならば「おー、今回も水戸岡さんらしいデザインだなー」という感想を持つでしょう。
今までの車両デザインの中で取り入れてきた様々なデザインが集約されている印象です。
水戸岡列車に乗りまくっている人には新奇性が少ないと思うかも知れませんが、それは単に乗りすぎているだけです(笑)
乗ってて楽しい列車であるというのは今回も健在!そして話題の玉手箱の煙をイメージした、乗降口の霧は下車した乗客が固まって撮影会が始まるほどでした。(うちも撮影しました)
何か一つは新しさが入っている、そこがまた楽しいのです。

さて、これで鹿児島は終了。新幹線に乗って一気に博多まで上ります。乗ったのはさくら号指定席。電源はあるわ、新幹線なのに4列シートだわ、JR西日本の新幹線は良いなぁ!
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この座席が今回の旅で一番良い座席だったかな。グリーン車並の新幹線で横4列、リクライニングすると座面も連動して腰の辺りが下がって座りやすいし、人間工学に基づいたリラックスできる車内です。
開業して10年のポスターがありましたが、軌道状態も良好で原稿が描けるぐらい全然揺れない!
感動しているうちに新八代を過ぎ、いよいよ初体験の新八代~博多間へ。
新八代を過ぎると、それまでの山の間を縫って走る感じから、一面の田んぼの間を走る感じに。
やがて家の数が増してくると熊本。熊本から先は家の比率が高くなったまま新鳥栖を過ぎ、博多に到着します。隣のホームには500系が…500系は何度見ても格好良いなぁ。

博多で在来線に乗り換え、かもめ(ソニック車)の自由席へ。夕ラッシュらしく混んでる!なんとか通路側に席を確保しました。
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普通車革張りシートが出たときは驚かされたものですが、上質さと落ち着きを伴った雰囲気のインテリアとは裏腹に体がシートから滑ってしまって常に少し踏ん張ってないといけないのが玉に瑕。
博多駅では1つ隣のホームに止まっている「ななつ星」が気になりますが、席に着いてしまったので今回は車窓から少しだけ眺める程度。うーむ、フラッシュが光っておる。
鳥栖のかしわそばの看板に食指を動かされてつつも我慢してそのまま乗車。さっき通過した新鳥栖で降り、新幹線「つばめ」に乗り換え。新駅だけあって駅前開発はこれからといったところ。

つばめは話題になった金箔の壁の車両でした。
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何度かつばめは乗っているけど、金箔の車両は初めて。
ぎらつかず、しっとりとした風合いで表面に傷もなく、華美に過ぎぬ絶妙さ。
世の中にはやたら金色を多用して下品になっている物も多々ありますが、これは違う。
椅子も木質材料を使った特製品。肘掛けの曲線を見るに付け、曲げわっぱを思い出します。
さすがにつばめあたりになってくると、デザイン重視の椅子でも居住性が良くなっており、これは快適。
揺れも少なく、真っ暗な車窓にぽつぽつと明かりが灯っているのを眺めている内に熊本到着。

熊本では市電に乗って、築地・千秋の店主、小川さんに教えてもらった馬肉料理の店へ。
コースを注文し、とろけるような馬刺しに焼き肉に舌鼓。確かにこれは旨い。
店の名前は一度聞いたら絶対に忘れないよと言われたとおり、忘れられない名前でした。
その名もずばり「らむ」でした。

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2014年1月 6日 (月)

二階建てバスで東京再発見

初めて見かけたのは東京タワーの展望台から見下ろしたとき。
屋根のない二階建てバスが眼下を走っていて、あれは何だ!と思ったものだった。

その二階建てバス、スカイホップバスという、フリーパスを買って乗降自由となる定期観光路線バス。昼間は1時間ヘッドで東京丸の内発スカイツリー、お台場、六本木の3路線。
最初はスカイツリー線から乗ったんだけど、これが面白かった。
乗車から記事アップまで半年かかった(途中でデータ消失してくじけていた)けど、ようやくアップです。

東京駅と大手町のビル群を望みながらJRのガード下をくぐるんだけど、ぶつかるんじゃないかという位に高さ制限ギリギリ。迫力満点です。
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そして、リベットだらけの構造体をつぶさに観察できる。音はうるさいけど、この頃のが一番見ていて楽しい。
上野松坂屋の前を過ぎて上野駅前、そして浅草通りへ。上野から浅草の間は道路が一直線。
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ビルがずらーっと並んでいて見事な一点透視の構図になるんだけど、消失点が画面の中心にくる構図ってつまらないね(笑)
上野から浅草にかけて、浅草通りから見渡せる街路はどれも碁盤の目。辺り一面焼け野原になった後の復興がうまくいった(用地買収に成功した)あたりです。だから路地にも救急車と消防車が入れるのです。
浅草通りの下は銀座線が通っています。
稲荷町駅は開業時の入口がそのまま残っていますが、この「地下鉄」のロゴは今も通用すると思う。
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バスはそのまま一直線に東に進み、雷門をちらり横目に見ながら浅草。東武の立派な駅の近くを進み、やがてスカイツリーの偉容が姿を現します。
バスが止まったのはスカイツリー前駐車場。これが凄い所にあって、用地買収を免れた民家の隙間に入り込むのです。え、左に曲がってどこに行くの?と思ったら時間貸し駐車場の所にぴたり。これは曲がれないんじゃないかという隙間にするりと入ってぴたっと付ける。職人芸ですなー。

この日は猛暑日で屋根のない二階建てバスは魚を焼くグリルのよう。折り返しまで休憩とあって、たまらず日陰を探しに下車。出発時間に席に戻ったらしっかり腰掛けが加熱されていて気分は塩焼きにされる秋刀魚といったところ。

この後もお台場線、六本木ヒルズ線と乗り比べしたけれど、このスカイツリー線が一番楽しかった。
日焼け対策で長袖を着ていたのに、隙間が真っ赤に焼けたこの日のように、日差しが強い日はともかく、そうでない季節を狙ってみてはどうでしょう。
カメラ片手に二階建てバス、お勧めです。

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2013年12月20日 (金)

寝台特急あけぼので青森へ

初めて「あけぼの」に乗ったのは青森発のごろんとシートだった。北海道旅行の帰りでB寝台個室まで乗れるフリーきっぷでごろんとシートに乗ったのだった。
B寝台個室「ソロ」に乗ったのは前回の津軽鉄道ストーブ列車訪問までお預けとなる。この時は1Fの席が取れた。
五能線から東能代の駅に降り立ち、秋田行に乗って秋田で夕食をとってあけぼのを待つかとも思ったが、最終的に大館まで戻りあけぼのを「迎えに行った」のだった。
個室寝台に身を横たえ、室内灯を完全に滅灯する。
折しも降り始めた雪が、まるで蛍のように舞い遊ぶ様。これが他の部屋から漏れた明かりに照らし出される。雪の中、雲の切れ間から満月が姿を見せ、深閑とした真白い田畑を僅かに照らし出す。
その月光浴の様をぼんやりと眺めていると、忘れかけた頃に二三の踏切を通り過ぎる。
警報機の閃光に照らされた蛍は赤く無数に舞っていて、気がつけば雪は強く、月は重い雲の向こうに消えていた。
秋田までそうして車窓を楽しみ、目覚めたときは水上だったのを覚えている。
個室寝台の楽しみは、みな「あけぼの」が教えてくれたのだった。

さて、先日の北海道旅行は、当初「あけぼの」で行く予定だった。ところがあいにくの満席。それでは「はまなす」に乗ろうと指定席を確保したら貨物列車脱線で全区間運休となって乗れずじまい。
なんとか下りのあけぼのに乗る機会は…と思っていたが、幸い本格的に寒くなる前にチャンスが訪れた。
辛うじて確保できた席はB個室のソロ、車両中央の下段と車両端の上段である。
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上野に推進運転で入線してくる様を見届けてから、さあ乗車である。
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下段にヨメを送り届け、いざ自分の部屋に入ってみると噂の通り確かに狭い。自分がこれから寝る寝台を畳んで階段を上がった後、寝台を展開させると、大柄の人はもう階段を降りられない。格安ビジネスホテルが普及した今では、新幹線+ホテルの方が確かにコストパフォーマンスは良さそうだ。
しかし、明かりを消せば個室寝台でしか眺められない特別なナイトクルーズが待っている。街の明かりが次々に流れていく様子は自分の顔が映り込む通勤電車では味わえない景色だ。
ぼんやりと眺めていると、沿線のどこかで火事なのか煙で真っ白になっている。いや、そうではなかった。濃密な霧が行く手を遮り、列車は減速運転を強いられているのだ。通過する駅の看板を見ると籠原。廃止が報じられた後だけあって、この駅にもカメラを構えたファンの姿が見える。
高崎まで起きていたが意を決して寝ることにし、上越国境は眠りの中。
何度かトイレに目が覚めたが、最終的に起きたのはおはよう放送。
気がつけば仁賀保で、ぼんやりとしていると秋田に着いた。
早朝の秋田、ホームにはまばらに人が立っており、停車寸前にワゴンで駅弁の立ち売りをやっているのが目に入った。立ち売りだと思っていると、何人かが弁当を求めて車内に戻っていく様が見て取れた。あけぼのは食堂車が無く、僅かな停車時間での駅弁購入が死活を分けると言っても過言ではない。
かくいう私は、事前に予約していた。列車は昨夜の霧で遅れ、駅弁のある大館駅到着が待ち遠しい。
大館に着くと、予定通りドア前に弁当屋の人が立って待っていた。てっきり白い服のおじさんでもいるのかと思ったらさにあらず、綺麗な若い女性が弁当の入ったビニール袋を下げて立っていた。
さて、今日の朝食は花善の特上鳥めし弁当とお茶(プラスチックの容器にティーバックが入っているやつ)である。包みを開けるとふわりと湯気、そして鳥めしの良い香り。これはたまらない。
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温かいできたて弁当は絶品で大満足。駅弁だから量が少ないかと思いきや、食べ終わったら満腹である。
あいにく、席は山側で海は見えないのだが、その代わりに豊かな秋の山々が見える。列車が北に進むほど紅葉した木々の量が増えていき、雑木林であるほどに色づいている。かたや秋田杉として植林された山、その隣は自然林とはっきりと分かれていて面白い。色づき具合も見事なものだ。
やがて大鰐温泉に元東急の車輌を見、リンゴ畑を眺めれば弘前、大釈迦の峠を越えて市街地が広がったと思えば、もう新青森である。
列車は関東の遅れをそのまま引きずって青森駅に到着。この後の行動の計画を修正して、青森県の旅の始まりである。
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