二周目第49話「テンちゃんの恋」
第49話「テンちゃんの恋」
インキンタムシという言葉やどうはんきっさという言葉を覚えたのが原作のこの話。
初期うる星でしか見られなかった下品なネタをアニメではかなぐり捨てて、ちょっとハートウォーミングな話に仕立て変えちゃったというのが今作の魅力です。
こどもの日ということであたるは母の手伝いをしながらも、頭には新聞紙の兜で浮かれ気味。ちゃんとラムちゃんが家事手伝いをしているところがいい。
そこへやってくるキンタロちゃん。何故に出すのと思いきや、これが終盤には意味を持ってくるのだから素晴らしい。
ジャリテンはサクラさんに脅迫状のような手紙を書く。原作ではあたるが代筆しますが、アニメではキンタロちゃんが代わりに話を付けに行くと言って、サクラ邸の床にまさかりを突き刺して啖呵を切って撃沈(笑)
メチャクチャなことをして話をご破算にしたのに男なら諦めろとテンを諭すも、決して無責任なようには見えないというのがポイントです。
ここでキンタロちゃんは「いつかお前を愛する女が現れる」と慰めを言うわけですが、なにやら予言めいているような…
結局はラムちゃんが取り繕いデート決定。
Aパートが終わり、アイキャッチ。Bパート開始時にもアイキャッチ。このアイキャッチがAB両方に入ったのは初なのでは!?
デート現場へジャリテンを追いかけるあたる、それを追いかけるラムちゃん。二人ともデートできるような服を着ており、ラムちゃんは折角だからうちらもデートするっちゃ!とたたみかける。これは…最初からデートに持ち込むつもりだったとしか思えません。なかなかにやり手です。
しかも二人とも緩いネクタイでイメージを揃えている!すごいですねー。
ジャリテンが着ている燕尾服みたいな白スーツがあたるのお下がりというところも面白い。あたるの母がバックアップしていると言うことですよね。
ダブルデートとなり、あたるは必死にジャリテンを追い、ラムちゃんはうっとりとあたるの腕に身を寄せる。キラキラとした綺麗な光景が流れますが、それはあたるの表情に目を向けなければの話。あたるの顔が舞台をギャグに持っていきます。
ジャリテンは思いあまってサクラさんを無理矢理クマに乗せて連れ去る。どこでこーいうハチャメチャ覚えたんでしょうね。
あたるはラムちゃんにまたがり「追えー!」ラムちゃんは「うちはウマじゃないっちゃ!」と激怒。そりゃ当然です。
でも、最終的に建設中のビルの屋上にやってきたところを見ると、ラムちゃんにしがみつくなり乗るなりして行ったのでしょう。
ビルの屋上のやり取りはひたすら面白い。ジャリテンは振られ、あたるは歯が何本か飛ぶほどしたたかに打たれ、それでも最後は美しく締め…締めつつあたるが台無しに。
全体としてギャグなんだけど美しく、破天荒なんだけど純粋なジャリテンの心情を描いている良作です。
今作は演出押井守、作画監督遠藤祐一、原画宮尾岳(なんとクレジットされているの一人だけ!)です。現在は漫画家の宮尾先生ですね。
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