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2020年12月

2020年12月10日 (木)

アニメは科学を生み、科学がアニメを作る

きっかけは日高のり子さんののTweetだった。


トップをねらえ!を見た人が宇宙を志し、地球に帰還する宇宙船を迎える。
僅かな文字の中に万感が籠もっているのを感じずにはいられない。
日本の科学技術はアニメを見た人々が胸に抱いた夢とともに進歩してきた。ロボットなら鉄腕アトムやガンダムを作りたいという人たちが研究者や技術者の中にいた。AIとてしかり。宇宙だってそうだったのだ。
そして科学の進歩が時代を進化させ、新しい作品を形作っていく。

ああ、そうだ。トップをねらえ!を見よう。
BSで録画したのを引っ張り出す。しかしOVA全編ではないので少し物足りない。
奇しくも、ちょうど都内では劇場公開していることをすかさず見つけてくるヨメ、うちの事をフットワークが軽いと評する人もいるが、何のことは無い。ヨメが優秀なだけだ。

そんな訳で、初めて映画館の大スクリーンでトップをねらえ!を見てきた。
劇場用リマスター版、家のテレビでは見えなかったところまでハッキリ分かる。


この作品にはうちの好きな要素がたっぷり詰まっている。
ロボットが組み体操をするといった大真面目にギャグをやっているシーン。
うちはうる星で育っているから、”おねえさま”が鉄下駄を履いて特訓しているのも、未来なのに日本文化が宇宙にまで浸透しているのも好きだし、うっすらと「この原画はこの人では?」と分かるのも嬉しい。原画に丹沢学(アニメうる星の作画で丹沢氏が一番好き)作画監督がもりやまゆうじであったのも嬉しい。画面に書類が映ればアニメーターの名前を探してしまうし、宇宙船の中に電車が走っているところも好きだ。


主人公のタカヤノリコは努力の人だ。努力に目覚め、精神力で様々な葛藤を克服する。
コーチの厳しい指導も相互信頼がしっかりしているから成立する。昭和のスパルタ鬼コーチそのものだ。

学園ではノリコをいびる嫌な先輩が決闘を申し込み、すさまじい形相で攻撃してくる。
宇宙に行った後もユングがおねえさまと決闘したりする。
だが、どちらも、しこたま殴り合って相手の強さを認めたら後腐れ無く味方になる。
そう、「土手で殴り合って倒れて仲良くなる」という理想化された不良少年のしぐさなのである。
すなわち、スポ根漫画の少年がやっていたのを精神もそのまま可愛い女の子に移植したと言っても過言ではない。
ピンチ、挫折、それを乗り越えて(急に)強くなる。SFてんこ盛り、女の子は美人揃い。ギャグから始まってシリアスになってゆくシナリオ。
情報量が多く、ビデオを一時停止したくなる画面。
オタクが好きな要素がこれでもかと詰まっているんだけど、「オタク君、こういうの好きでしょう?」といういやらしさが無い。
あるのは「俺はこれが好きだ、どうだ君も好きだろう」という強力な自負だ。アニメに携わるスタッフが楽しんで作っている作品というのは面白い。

ウルトラマンすら見ていないTV特撮オンチの自分には元ネタが分かるのは僅かであったけど、それでも松本メカがテーブルに埋め込まれているのは分かる。地球が銀河鉄道999に出てくるメガロポリスみたいになっていたのは面白かった。

後半の物語の中核をなすウラシマ効果による別離と葛藤、自分以外、数日・数ヶ月ぶりに会ったら大人や老人になっているという辛さ。
それを覚悟でノリコと一緒なら構わないというおねえさまのバスターマシーン3号への突入、帰還を迎える地球の様子。
これは涙無くしては見られない。

良い作品との出会いは人生を変える。冒頭の「はやぶさ2」に携わった人もそうだったのだろう。
うちはうる星と出会って人生変わったから、よく分かる。
Ob1607601728247

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